MetalloFluor™ Series

FeRhoNox™-1

[遊離鉄 (II) イオン検出用蛍光プローブ]

570-590 nm:橙色

FeRhoNox-1は、遊離鉄 (II) イオン(Fe2+)を検出可能なゴルジ局在性の生細胞イメージング用蛍光プローブです。他の金属イオンには反応しないため、細胞中の Fe2+ を特異的に検出することができます。
また、本試薬にキレート作用はございません。

 

FeRhoNox-1 は Merck KGaA (Darmstadt, Germany) からも全世界にて
SCT 030  BioTracker™ 575 Red Fe2+ Dye の名前で販売されています。

 

 

 

 

価格

型番 製品名 容量 希望小売価格(税抜価格)
AR2901-U5 FeRhoNox™-1 50 μg × 5 ¥ 29,800

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  • プロトコル

  • SDS

  • 製品情報

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    FeRhoNox-1の物性

    名称 検出対象   膜透過性 反応  Absmax(nm)  FLmax (nm)
    FeRhoNox-1 遊離鉄 (Fe2+ あり 不可逆 540 575

     

    蛍光スペクトル

     

    図1. Fe2+反応前後のFeRhoNox-1の蛍光スペクトル

    FeRhoNox-1とFe2+を37℃、1時間反応させた。Fe2+を反応させると、575 nmをピークに蛍光強度上昇を示した。

     

    金属イオン反応特異性

    HepG2 細胞に対して Fe(NH4)2(SO4)2 (FAS; 100 μM) を加えて、30 min インキュベートした後、5 μM のFeRhoNox-1を加えてさらにインキュベート。1 h 後、蛍光顕微鏡観察。

    図2.FeRhoNox-1の 金属イオン選択性。
    鉄(II)イオンのみに選択的に反応している。

  • FeRhoNox-1 細胞イメージング例

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    FeRhoNox-1 細胞イメージング例

    HepG2 細胞

    FeRhoNox-1 を用いた HepG2 細胞でのライブセルイメージング。(1) -Fe(II): 鉄イオン(100μM ferrous ammonium sulfate)を加えていない細胞。 (2) +Fe(II):鉄イオンを培地に添加  (3) +Fe(II)+Bpy:更に鉄 (II) イオンキレーターである Bpy を添加した場合。

    (2) の Fe(II) で FeRhoNox-1 の蛍光増加が見られるが、(3) で蛍光強度が減少していることから、選択的に鉄 (II) イオンを検出していることがわかる。

     

    HEK293細胞

    FeRhoNox-1 を用いた HEK293 細胞でのライブセルイメージング。(1)-Fe(II): 鉄イオンを加えていない場合、(2) +Fe(II): 鉄イオンを加えた場合、(3) +Fe(II)+Bpy: 更に Bpy を添加した場合。

     

    細胞内の内在性鉄(II)イオンの検出

    細胞内内在性鉄(II)イオンの検出。(2) Bpy添加によりシグナルが減少していることからFeRhoNox-1 により内在性鉄(II)が検出されていることがわかる。

     

    *Bpy: 2,20-bipyridyl (Bpy)は細胞膜透過性の鉄(II)イオン選択的キレーターです。

よくあるご質問

  • Q FeRhoNox-1 は固定細胞で使用できますか?
    A

    パラフィン切片での使用は基本的にはできないとお考えください。
    組織切片の鉄イオン検出には、凍結切片を軽くホルマリンで固定する方法が報告されています。以下の論文をご参照ください。
    Mukaide et al., (2014) Histological detection of catalytic ferrous iron with the selective turn-on fluorescent probe RhoNox-1 in a Fenton reaction-based rat renal carcinogenesis model
    Free Radical Research 48:990-995
    http://dx.doi.org/10.3109/10715762.2014.898844

  • Q FeRhoNox-1 を最初に溶解する有機溶媒の選び方を教えてください
    A

    FeRhoNox-1 の溶媒として dimethyl sulfoxide (DMSO) を推奨しています。DMSO は infinity pure, ultra-pure などと表示されているできるだけ純度の高いものを準備し、開封後すぐにご使用ください。すぐに使用しない場合は、吸湿しないように分注して超低温フリーザーで保管しておくことをお勧めします。
    理由として、DMSO は劣化すると硫化メチルなどの分解物が生成しますが、この分解物によって FeRhoNox-1 の蛍光バックグラウンドが上昇することがあるためです。

  • Q このプローブはゴルジ(またはER)の Fe2+ のみを検出するのですか?
    A

    プローブは ER や Golgi に局在することが知られていますが、このプローブが検出する Fe2+ は細胞質の Fe2+ も反映しているのではないかと考えられています。ただし、これをきちんと検証した報告はありません

     

  • Q 二価鉄検出プローブは、どのように使い分けをしたら良いですか?
    A

    検出感度が最も高いのは FerroOrange です。赤色レーザーを使用したフローサイトメトリーには FerroFarRed が最適です。
    FeRhoNox-1 は論文実績が豊富にあるため、既存の報告を確実に再現させたい場合に最適です。

    型番 製品名 Exmax (nm) Emmax (nm) 蛍光顕微鏡 フローサイトメトリー
    (青色レーザー)
    フローサイトメトリー
    (赤色レーザー)
    プレートリーダー
    AR2901-U5 FeRhoNox-1 540 575
    GC903 FerroFarRed 646 662
    GC904 FerroOrange 542 572

    FeRhoNox-1, FerroOrange をレーザー励起で検出するためには、532 nm 等のグリーンレーザーの使用を推奨します。

  • Q Q&A を見ても問題が解決しません
    A

    蛍光色素一般に関する Q&A も参照してください