AcidiFluor™ Series

AcidiFluor™ ORANGE-Dextran 10k, 70k

[エンドサイトーシス検出用蛍光プローブ]

570-590 nm:橙色

AcidiFluor ORANGE-Dextranは酸性環境を検出する蛍光プローブの AcidiFluor ORANGEで標識したデキストランです。デキストランは細胞膜透過性のない水溶性多糖類で、エンドサイトーシスの検出に広く用いられています。また、AcidiFluor ORANGE は中性でほとんど蛍光を示さず、酸性で強い蛍光を示す蛍光プローブです。そのためエンドサイトーシスされた小胞が細胞内で酸性化されると明瞭な蛍光を示します。

エンドサイトーシスの検出には一般的に 10 kDa のデキストランが使われます。一方、分子量 70 kDa のデキストランは一般的なエンドサイトーシスではほとんど取り込まれず、マクロピノサイトーシスと呼ばれる特殊なエンドサイトーシスで細胞に取り込まれることが知られています。

これらのことから、 AcidiFluor ORANGE-Dextran 10k, 70kは、それぞれエンドソーム、マクロピノソームの酸性化の検出に使用できます。

 

価格

型番 製品名 容量 希望小売価格(税抜価格)
GC306 AcidiFluor™ ORANGE-Dextran 10k 1 mg ¥ 69,800
AR0312-J1 AcidiFluor™ ORANGE-Dextran 70k 1 mg ¥ 69,800

各種ダウンロード

  • プロトコル

  • SDS (GC306)

  • SDS (AR0312)

  • 製品情報

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    AcidiFluor ORANGE-NHS の物性

    名称 検出対象 反応 pKa
    Absmax (nm) FLmax (nm) ε Φ
    AcidiFluor ORANGE-NHS pH 可逆 5.3, 6.8 544 565 80,000 0.7

     

  • AcidiFluor ORANGE-Dextran 10k および 70k による細胞イメージング例

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    AcidiFluor ORANGE-Dextran 10k および 70k による細胞イメージング例

    AcidiFluor ORANGE-Dextran 10k による細胞イメージング例

    HeLa 細胞に取り込まれた AcidiFluor ORANGE-Dextran 10k のライブセルイメージング。HeLa 細胞を 0.2 mg/mL  AcidiFluor ORANGE-Dextran 10kを含む培地で 4  時間培養後に蛍光顕微鏡で観察したもの。画像は蛍光像と微分干渉像の重ね合わせで、オレンジの疑似カラーは、ex. 530-560 nm, em. 573-647 nm で撮影した AcidiFluor ORANGE の蛍光像、グレーの疑似カラーは微分干渉像。スケールバーは 50 µm。

     

    AcidiFluor ORANGE-Dextran 70k による細胞イメージング例

    HeLa 細胞に取り込まれた AcidiFluor ORANGE-Dextran 70k のライブセルイメージング。HeLa 細胞を 0.2 mg/mL  AcidiFluor ORANGE-Dextran 70kを含む培地で 4  時間培養後に蛍光顕微鏡で観察したもの。画像は蛍光像と DIC の重ね合わせで、オレンジの疑似カラーは、ex. 530-560 nm, em. 573-647 nm で撮影した AcidiFluor ORANGE の蛍光像、グレーの疑似カラーは DIC 画像を示す。スケールバーは 50 µm。

     

よくあるご質問

  • Q pH 3以下での蛍光強度は?
    A

    AcidiFluor ORANGEのpH 3 以下での蛍光強度は、pH 3の強度とほとんど同じことがわかっています。

  • Q 固定細胞に使えますか?
    A

    基本的には固定細胞では使用できません。リソソームやエンドソームの酸性 pH は生きている細胞の活性によって酸性 pH が保たれており、固定により死んだ細胞ではその酸性が維持されなくなるためです。

    ただし、リソソームに局在する AcidiFluor ORANGE、抗体などを標識した AcidiFluor-NHS や  HaloTag に結合した HaloTag AcidiFluor ORANGE ligand の局在を知る目的で、固定後速やかに酸性 pH バッファーに置換して蛍光を確認することは可能と考えられます。

  • Q やはり問題が解決しません。
    A

    解決しない場合、製品に関するお問い合わせフォームをご利用ください。

参考文献

D. Asanuma, Y. Takaoka, S. Namiki, K. Takikawa, M. Kamiya, T. Nagano, Y. Urano, K. Hirose (2014)
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 53: 6085-6089 DOI:10.1002/anie.201402030

M. Isa, D. Asanuma, S. Namiki, K. Kumagai, H. Kojima, T. Okabe, T. Nagano, K. Hirose (2014)
ACS. Chem. Biol. 9: 2237-2241 DOI:10.1021/cb500654q

R. Watanabe, N. Soga, D. Fujita, K. V. Tabata, L. Yamauchi, S. H. Kim, D. Asanuma, M. Kamiya, Y. Urano, H. Suga, H. Noji (2014)
Nat. Commun. 5: 4519 DOI:10.1038/ncomms5519