CalxFluor™ Series

CaTM-3 AM

[カルシウムイオン検出蛍光プローブ]

590-650 nm:赤色

特徴

  • 赤色蛍光により、GFP などとの共存も可能
  • 高感度にCa2+を検出
  • 細胞内での均質な分布により、CaTM-2 AM より正確に Ca2+ 変動を可視化できるようになりました。

 

CaTM-3 AM は東京大学大学院薬学系研究科 薬品代謝化学教室の花岡健二郎先生のご指導・ご協力のもとで製品化しました。

 

CaTM-3 AM は Merck KGaA (Darmstadt, Germany) からも全世界にて
SCT021 BioTracker™ 609 Red Ca2+ AM Dye の名前で販売されています。

 

価格

型番 製品名 容量 希望小売価格(税抜価格)
GC507 CaTM-3 AM 40 nmol × 5 ¥ 38,000

各種ダウンロード

  • プロトコル

  • SDS

  • 製品情報

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    CaTM-3 の物性

    名称 検出対象 反応 膜透過性
    Absmax (nm) FLmax (nm) Kfor Ca2+ Φ
    CaTM-3 AM Ca2+ 可逆 あり(AM) 595 609 0.19 μM 0.37

    CaTM-3 AM は赤色蛍光(蛍光極大 609 nm)を持つカルシウム検出用の蛍光プローブです。細胞内でのCa2+ 濃度の増減に応じて蛍光が可逆的に変化するため、細胞内でのカルシウム濃度変化を高感度に検出できます。

     

    CaTM-3 AM はアセトキシメチルエステル化されているため、細胞膜を通過後に細胞内のエステラーゼにより加水分解されて水溶性の高いCaTM-3になり、細胞内に比較的均質に滞留します。細胞内での均質な分布により、これまでより正確な Ca2+ の検出が可能になりました。

    吸収・蛍光スペクトル

     

    図1 CaTM-3の吸収、蛍光スペクトル

     

    Ca2+濃度依存性

    図2 蛍光強度の Ca2+ 依存性

  • CaTM-3 AM を用いたイメージング例

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    CaTM-3 AM を用いたイメージング例

    細胞内での均質な分布

    HeLa 細胞の培養液を HBSS に溶解した 3 μM の CaTM-3 AM に置換し、 37℃ で 30 分間試薬をロードした。Pluronic F-127 などの添加剤がなくとも細胞内に比較的均質に分布している。590 nm で励起し、610-680 nm の蛍光を取得した画像(左)と DIC 画像(右)。

     

     

     

    刺激による細胞質でのカルシウム変動の可視化

    CaTM-3 AM (3 μM in HBSS) をロードした HeLa 細胞を 1 μM ヒスタミンで刺激したのち、3分後に 5 μM イオノマイシンでカルシウムを流入させたときの細胞内カルシウム濃度の変動を可視化した。

    データご提供 高橋翔大様(東京大学薬学系研究科)

  • CaTM-3 AM と他の赤色カルシウムプローブとの比較

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      CaTM-3 AM CaTM-2 AM Rhod-2 AM Fura-Red AM Rhod-4 AM
    Absmax  (nm) 595 597 549 435 530
    FLmax  (nm) 609 609 578 639 555
    Kd(Ca2+)  (μM) 0.19 0.2 0.57 0.4 0.53
    量子収率 0.37 0.39 0.03 0.013  
    細胞内局在 細胞質+ 核 細胞質 ミトコンドリア   細胞質
    (細胞によってはミトコンドリアに濃縮§
    添加剤 not required in many cases* Pluronic F-127 Pluronic F-127 Pluronic F-127 Pluronic F-127

    *HeLa, COS7, A549, CHO-k1, MCF-7, NIH 3T3, HEK293 細胞で確認されている。ラット海馬スライスへのローディングには、Pluronic F-127 を添加した方が良いと報告されている。

    § A549, NIH 3T3,COS7 細胞など

     

     

よくあるご質問

  • Q AM体とは何でしょうか?
    A

    AM は acetoxy methyl (アセトキシメチル基) のことで、AM 体化することで細胞膜の透過性を高めた化合物です。

    多くのカチオン性の化合物は細胞膜を透過しにくいことが知られていますが、このカチオンにアセトキシメチル基を付加して細胞膜を透過試薬することができます。アセトキシメチル基は細胞内のエステラーゼによって切断され元のカチオン性の化合物が細胞内で生成されるとともに、細胞外に漏れ出しにくくなります。

  • Q 細胞にロードするには Pluronic F-127 等の添加が必要ですか?
    A

    CaTM-3 AMは水溶性が高いため、多くの場合は Pluronic F-127 の添加が不要と報告されていますが、添加した方がよい場合もあります。その他のカルシウムプローブにはマニュアルに従って Pluronic F-127 を添加してください。細胞への導入性を高めるほか、試薬の凝集を防ぐ効果もあるためです。