- ヒトiPS細胞・ヒトES細胞と分化細胞を識別可能
- フローサイトメトリーや、ライブセルイメージングが可能
- 染色状態で培養可能
Kyoto Probe 1 (KP-1)は Merck KGaA (Darmstadt, Germany) からも全世界にて
SCT 029 BioTracker™ 529 Green Pluripotent Stem Cell Dye の名前で販売されています。
StemFluor™ Series
[ヒト幹細胞(iPS/ES 細胞)検出用プローブ]
495-540 nm:緑色
Kyoto Probe 1 (KP-1)は Merck KGaA (Darmstadt, Germany) からも全世界にて
SCT 029 BioTracker™ 529 Green Pluripotent Stem Cell Dye の名前で販売されています。
型番 | 製品名 | 容量 | 希望小売価格(税抜価格) |
---|---|---|---|
GC7001-01 | Kyoto Probe 1 (KP-1) | 10 μg × 5 | ¥ 39,800 |
GC7001-02 | Kyoto Probe 1 (KP-1) | 10 μg × 10 | ¥ 69,800 |
Kyoto Probe 1 (KP-1)
製品情報
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名称 | 膜透過性 |
Absmax (nm) | FLmax (nm) | Φ |
Kyoto Probe 1 (KP-1) | あり | 515 | 529 | 0.45 |
KP-1の蛍光特性
スペクトルは、(N. Hirata et al. 2014 Cell Rep. 6: 1165-1174) より引用
Kyoto Probe 1 (KP-1)
KP-1 による染色例およびそのメカニズム
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フィーダー細胞上のヒト iPS 細胞のコロニーを KP-1 で蛍光染色した写真。(左: 明視野像、右: 蛍光像、スケールバー: 300 μm) (Hirata, N. et al. 2014 Cell Rep.6: 1165-1174 より引用)
KP-1 は細胞膜透過性のある蛍光色素で、細胞に添加すると膜内に取り込まれます。しかし、分化細胞では ABC トランスポーターの ABCB1 および ABCG2 の作用で細胞外に排出されるため、分化した細胞は染色されません。一方、ヒト由来の幹細胞ではこれらのトランスポーターの発現が少ないため、KP-1 が細胞外へ排出されずにミトコンドリアに蓄積します。その結果、KP-1 の濃度がヒト幹細胞内では高く、分化細胞では低くなるため蛍光強度の差が生じると考えられます。(N. Hirata, et al., 2014, Cell Rep. 6: 1165-1174)
ヒト iPS 細胞 (C, F) と同様に ES 細胞 (D, G) も染色されます。部分的に分化した細胞塊では染色される部分が減っています(E, H)。(Hirata, N. et al. 2014 Cell Rep. 6: 1165-1174 より引用)
顕著な細胞毒性は観察されていません。正確な評価を行ったわけではありませんが、1 μM KP-1 存在下で 48 時間培養しても、細胞の様子に変化は見られませんでした。
ヒト未分化細胞では ABC トランスポーターのうち ABCB1 および ABCG2 の発現が少ないため、細胞に取り込まれた KP-1 が細胞内から排出されないことにより、未分化細胞のみを染色します。マウスを含む他の動物ではこの ABC トランスポーターの発現プロファイルが異なることが知られているため、期待通りの染色パターンが得られない可能性があります。ヒト以外の幹細胞に応用を検討される場合は、事前に十分ご検討いただくことをお勧めしております。
蛍光色素一般に関する Q&A も参照してください