SaraFluor 488 および 600 はフルオレセイン (fluorescein) の骨格構造を元に改良された蛍光色素です。SaraFluor 488 はフルオレセインや同波長帯の他社製の代表的な色素より輝度が高く、pH 安定性も改良されています。酸性では蛍光が弱く、およそ pH 8 以上で 最大輝度となるフルオレセインに対し、SaraFluor 488 はおよそ pH 6 以上で安定した最大の蛍光強度を示します。SaraFluor 600 も、Texas Red より明るく、他社の代表的な色素に匹敵する明るさを示し、pH 6 以上で安定な蛍光を示します。ただし、SaraFluor 488 および SaraFluor 600 の光退色特性はそれほど優れていないため、必要に応じて退色防止剤などの使用をご検討ください。
SaraFluor 650, 700, 720 はシリコンローダミン (silicone rhodamine, SiR) 骨格を持つ蛍光色素です。Cy5 を始めとする同波長帯の代表的な色素に対して、蛍光輝度は劣りますが、ほぼ pH に依存しない蛍光強度を示し、光安定性に優れています。光退色が遅いため、比較的長時間にわたる安定したイメージングが可能です。
いずれの色素にも、水溶性を高めるためのスルホ基 (-SOOH) の導入を行っていません。やや疎水性の高い色素が必要な場合、または強い負電荷がある他社製の色素で不具合がある場合の代替としてご利用頂ける場合があります。