POLARIC-NHS はタンパク質標識用のソルバトクロミック色素です。NHS 基を介して1級アミンを標識できます。レーザー励起の場合、488 nm または 514 nm が適しています。
POLARIC は、まわりの脂質の組成によって蛍光波長が変化することがわかっています(Chem. Lett. 2011, 4, 989-991)。一方、 pHによる大きな蛍光波長変化はありません。
POLARIC® Series
[一般標識用蛍光色素]
Others (FRETなど)
POLARIC-NHS はタンパク質標識用のソルバトクロミック色素です。NHS 基を介して1級アミンを標識できます。レーザー励起の場合、488 nm または 514 nm が適しています。
POLARIC®-NHS
製品情報
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製品名 |
検出対象 | 反応 |
Absmax (nm)* | FLmax (nm)* |
POLARIC-NHS | 溶媒極性 | 可逆的 | 480 | 592 |
*蛍光波長は溶媒極性によって変化します。
POLARIC は、まわりの脂質の組成によって蛍光波長が変化することがわかっています(Chem. Lett. 2011, 4, 989-991)。一方、 pHによる大きな蛍光波長変化はありません。
標識する抗体等、タンパク質はできるだけ精製されたものを使用してください。未精製のタンパク質に標識したい場合は、アフィニティカラム、限外ろ過やゲルろ過などで夾雑物を除いた後に標識を行うと効率が上がります。また、トリスバッファーはアミノ基を含むため、このバッファー中での NHS による標識は行うことができません。脱塩カラム、ゲルろ過カラム、透析などでトリスバッファーをリン酸緩衝液または Good buffer (PIPES, HEPES 等) などアミノ基を含まないバッファーに置換した上での標識が必要です。
また、タンパク質や条件によっても異なりますが、 37℃ で 30分から 1 時間反応させるよりも、4℃ で一晩反応させるほうが標識率が上がることが多くあります。
タンパク質の 280 nm での吸光度は、Gill and von Hippel (1989) Analytical Biochemistry, 182: 319-326 や Anthis and Clore (2013) Protein Science 22:851-858 などの方法で求めることができます。以下のような Web サイトでも計算サービスが提供されているようですが、ご利用にあたってはそれぞれのサイトの利用条件などの説明に従ってください。
http://protcalc.sourceforge.net/
http://web.expasy.org/protparam/
http://nickanthis.com/tools/a205.html
NHS エステルと1級アミンの反応は pH 8.0から 8.6 付近で効率よく進行します。そのため、Tris buffer などのアミノ基を含むバッファー以外であれば、HEPES, リン酸バッファー、ホウ酸バッファーなども同様に使用可能です。
蛍光色素一般に関する Q&A も参照してください
M. Takao, Y. Nagai, M. Ito, T. Ohba (2018)
Genes Cells 23: 963-973 DOI:10.1111/gtc.12645
T. N. Mohammadi, A. T. Maung , J. Sato, T. Sonoda, Y. Masuda, K. Honjoh, T. Miyamoto. (2018)
J. Appl. Microbiol. in press DOI: 10.1111/jam.14134
M. Tanaka, T. Kikuchi, H. Uno, K. Okita, T. Kitanishi-Yumura, S. Yumura (2017)
Sci. Rep. 7: 12970 DOI:10.1038/s41598-017-13438-5
R. Omura, K. Nagao, N. Kobayashi, K. Ueda, H. Saito (2014)
J. Lipid Res. 55: 2423-2431 DOI:10.1194/jlr.D049445
N. Maishi, T. Kawamoto, N. Ohga, K. Yamada, K. Akiyama, K. Yamamoto, T. Osawa, Y. Hida, K. Hida (2013)
Oncol. Rep. 30: 1695-1700 DOI:10.3892/or.2013.2620
S. H. Son, Y. Yamagishi, M. Tani, M. Yuasa, K. Yamada (2011)
Chem. Lett. 40: 989-991 DOI:10.1246/cl.2011.989