AcidiFluor™ ORANGE-Zymosan A

AcidiFluor™ORANGE-Zymosan Aのフローサイトメーターでの使用例

概要

AcidiFluor ORANGE-Zymosan A は、免疫細胞の貪食作用を研究するためによく使用される Zymosan A を、酸性環境で蛍光が増強するAcidiFluor ORANGE で標識したものです。貪食されることによりファゴソーム中の酸性環境で強い蛍光を発するため、貪食作用の研究などに使われます。

RAW264.7細胞のファゴサイトーシスの測定例


図1.AcidiFluorORANGE-Zymosan A (AFO-ZymosanA) の投与量に応じた貪食細胞の割合の変化

同じ細胞数のRAW264.7細胞に各濃度のAcidiFluor ORANGE-Zymosan A を加え、1時間培養して貪食させたのち、AFO の蛍光が観察される細胞数をフローサイトメーターで計測した。左図が結果のまとめ、右図は各条件におけるフローサイトメーターの測定結果で、横軸が AFO の蛍光強度、縦軸が細胞数を示す。図示したように、6×102 以上の蛍光強度を示す細胞を蛍光ポジティブ細胞と判定し、その割合を左図にプロットした。AFO の蛍光強度は、488 nm レーザーで励起し、586/42 nm (Phycoerythrin用)フィルターを使用して測定した。

計測プロトコル
  1. RAW264.7細胞7.5×104 個を12 well plateに播種し、一晩培養した。
  2. 細胞培養メディウムなどにAcidiFluor ORANGE-Zymosan A を懸濁させて染色懸濁液を作成した。
  3. 2を2分間ソニケーションし、2 分間4 ℃で冷却した。この操作を 5 回繰り返し、トータル 10 分間ソニケーションにより AcidiFluor ORANGE-ZymosanA を分散させた。
  4. 培養容器より液体培地を除去し、希釈したAcidiFluor ORANGE-Zymosan A 懸濁液が終濃度50 µg/mLとなるように細胞に加え、37℃, 5% CO2 条件下で 1 時間インキュベートした。
  5. 反応後の余分なAcidiFluor ORANGE-Zymosan A 懸濁液を培養容器から除去し、PBSで細胞を洗浄した。
  6. Trypsin-EDTA 液を加え、細胞を培養容器から剥がした。
  7. 血清を含む細胞培養メディウムを添加し、trypsin を中和した。
  8. 遠心により細胞と上清を分離した後、上清を取り去って、細胞を PBS に懸濁した。
  9. フローサイトメーターの詰まりを防ぐため、細胞懸濁液を 40 µmのナイロンフィルターに通した。
  10. フローサイトメーターで測定した。

阻害剤による阻害効果の検討

AcidiFluor ORANGE-Zymosan A は、ファゴサイトーシス阻害剤などによる食作用の変化を定量的に解析することが可能です。


図2.食作用阻害剤の濃度依存的なヒストグラムの変化。

RAW264.7 細胞に終濃度が0(赤), 1(黄色), 2(緑), 5(青), 10(紫)µg/mLとなるようにcytochalasin D (ファゴサイトーシス阻害剤)を予め添加し、CO2 incubator 内で 1 時間反応させた。その後、AcidiFluor ORANGE-Zymosan Aを終濃度 50 µg/mLとなるように加え、CO2 incubator 内で 1 時間反応させた。そして、PBS で洗浄後、測定した。左図が結果のまとめ、右図は各条件におけるフローサイトメーターの測定結果で、横軸が AFO の蛍光強度、縦軸が細胞数を示す。図示したように、6x102 以上の蛍光強度を示す細胞を貪食細胞と判定した。この割合をフローサイトメーターで算出し、そこから得られた値を用いて、各濃度の cytochalasin D における食作用阻害率

として計算した。左図は、 cytochalasin D の各濃度とその濃度における食作用阻害率をプロットしたものである。 Cytochalasin D の各濃度における食作用阻害率は、それぞれ72.26% (1 µM), 79.71% (2 µM), 89.93% (5 µM), 94.85% (10 µM)であった。

AFOの蛍光強度は、488 nm レーザーで励起し、586/42 nm (Phycoerythrin用)フィルターを使用して測定した。Negative control (未処理サンプル)は、破線(黒)で示している。

類似色素との比較

AcidiFluor ORANGE-Zymosan A は、類似のpH感受性色素である pHrodo™ Red-Zymosan A と比べ蛍光強度が高く、陰性細胞と陽性細胞との区別が容易です。また、類似のpH感受性色素である pHrodo™ Green-Zymosan A と同じ Zymosan A 濃度で比較すると、より高いシグナル強度が得られます。


図3.類似pH感受性色素である pHrodo Red-Zymosan A および pHrodo Green-Zymosan A との比較実験。

RAW264.7細胞に終濃度10, 30, 50, 100 µg/mLとなるように AcidiFluor ORANGE-Zymosan A、pHrodoRed-Zymosan A および pHrodo Green-Zymosan A を加え、CO2 incubator 内で 1 時間反応後、PBS で洗浄してフローサイトメーターで測定した。得られた蛍光強度分布から phagocytotic cell と unphagocytotic cell の割合を求めた(左)。50 µg/mLの蛍光強度分布を右に例示した。このように、3×102 以上の蛍光強度を示す細胞を貪食細胞と判定し、この領域の細胞を phagocytotic cell、それ以外を unphagocytotic cell とし、得られたそれぞれの細胞の割合から phagocytotic cells / unphagocytotic cells の比率(ratio)を計算した。また、Negative control(未処理サンプル)は破線(黒)で示した。

AcidiFluor ORANGE-Zymosan A、pHrodo Red-Zymosan A、pHrodo Green-Zymosan A は488 nm レーザーで励起し、AcidiFluor ORANGE-Zymosan A、pHrodo Red-Zymosan A は586/42 nm (Phycoerythrin用)フィルターを使用、pHrodo Green-Zymosan A は 537/32 nm (FITC用)フィルターを使用して測定した。

図3に示すように、どの濃度においてもAcidiFluor ORANGE-Zymosan A (図3左:橙)は、pHrodo Red-Zymosan A (図3左:赤)および pHrodo Green-Zymosan A (図3左:緑)に比べ、phagocytotic cells が高い効率で検出された。また、図3右にあるようにAcidiFluor ORANGE-Zymosan A (図3右上 実線: 橙)は、pHrodo Red-Zymosan A (図3右上点線:赤)に比べ、 phagocytotic cell とnon-phagocytotic cell がより明瞭に分離している。

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