FRETFluor™ Series

QuicGSH3.0

[還元型グルタチオンの定量用蛍光プローブ]

Others (FRETなど)

グルタチオンは細胞内にミリモルオーダーで存在し、活性酸素種を還元することで酸化ストレスを消去する役割を担っていると考えられています。この製品は、分子内 FRET の原理により2波長の蛍光強度比から細胞内グルタチオン濃度を定量できる蛍光プローブです。反応が早く可逆的であるため、グルタチオン濃度の増減を追跡することも可能です。

 

QuicGSH3.0 は Merck KGaA (Darmstadt, Germany) からも全世界にて
SCT 036 BioTracker™ 625 Red GSH Dye の名前で販売されています。

 

価格

型番 製品名 容量 希望小売価格(税抜価格)
A401-1 QuicGSH3.0 25 nmol × 5 ¥ 69,800
A401-2 QuicGSH3.0 25 nmol × 2 ¥ 34,000

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    QuicGSH3.0 について

    QuicGSH3.0 は分子内 FRET の原理を利用して、細胞内の還元型グルタチオン(GSH)濃度を定量できる蛍光プローブです。(FRET = fluorescence resonance energy transfer)

    QuicGSH3.0 はオレンジ色の蛍光色素Tと、深赤色の蛍光色素Sの2つのコンポーネントからなる分子です。GSH濃度が低いとき、緑色光で励起すると、励起された色素Tのエネルギーが共鳴効果により色素Sに移動し、深赤色の蛍光を発します。GSH濃度が高くなると、蛍光エネルギー移動が起こりにくくなり、緑色光で励起されたプローブはオレンジ色の蛍光を発します。

    細胞内に導入された蛍光プローブの濃度にかかわらず、この2波長の蛍光強度の比は GSH 濃度で決まります。そのため、2波長で蛍光強度を測定することで、細胞内の GSH 濃度を決定できます。
    Kd = 3.0 mM の QuicGSH3.0 は数ミリモル程度と考えられている細胞内 GSH 濃度の測定に最適です。GSH 濃度に応じて蛍光強度の比はすみやかに変化するため、リアルタイムで細胞内 GSH 濃度の変化を追跡することも可能です。

    QuicGSH の物性

    名称 検出対象 蛍光化 Absmax (nm) FLmax (nm)
    QuicGSH3.0 GSH 可逆 558 582, 625

    GSH 濃度変化によるスペクトル変化

     

    還元型グルタチオン(GSH)と反応する前の最大蛍光波長は 625 nm ですが、GSH と反応すると最大蛍光波長が 582 nm に変化します。GSH 濃度が上がると、580 nm の蛍光強度が上がり、620 nm 付近の蛍光強度が下がります。

    素早い応答性、および可逆性

    QuicGSH3.0 は、還元型グルタチオン(GSH)と素早く反応し、最大蛍光波長が 625 nm から 582 nm に変化します。また、GSH が消失した場合には、最大蛍光波長が 582 nm から 625 nm に戻ります。

    QuicGSH3.0 (最終濃度2 μM, コソルベントとして 5% DMSO を含む) を溶解したリン酸バッファー (0.2 M, pH 7.4) に、GSH を加え 27℃ でインキュベートした。1800 秒後にチオールスカベンジャーである N-ethylmaleimide (NEM) を 25 mM 添加した。580 nm と 620 nm の蛍光強度比をプロット(励起波長 550 nm, 測定波長 580 nm, 620 nm, n=3 ± S.D.)。

  • QuicGSH3.0 購入者限定マニュアル

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    ご購入者限定説明書のダウンロード

    QuicGSH3.0 をご購入いただいた方限定で、細胞内の還元型グルタチオン濃度を計算するための詳細なプロトコルが以下よりダウンロードいただけます。

    ダウンロードには以下のようにユーザー名とパスワードが必要です。ユーザー名は Customer とし、パスワードは製品ラベルに記載のパスワードを入力してください。

     

    ダウンロードはここをクリックしてください。

     

     

     

     

参考文献

K. Umezawa, M. Yoshida, M. Kamiya, T. Yamasoba, Y. Urano (2017)
Nat. Chem. 9: 279-286 DOI:10.1038/nchem.2648