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DAF類、HPF、APF に関するQ&A

FAQ1. NOは反応性が高い物質ですが、DAF類はNOがどのように変化した状態を検出しているのでしょうか?
NOが速やかに酸素と反応して NO2− や NO3− に変化する途中の中間体と反応しています。この中間体は生理的な条件下ではNO生成がない限り生成しないため、DAF類はNOを特異的に検出することになります。
FAQ2. NO2− や NO3− と反応してしまうことはありませんか?
生理的な条件ではこれらと反応することはありません。但しNO2− が高濃度(10mM以上)存在して長時間インキュベートした場合には若干蛍光が出ます。
FAQ3. 検出限界はどの位ですか?
DAF-2を用いたpH 7 付近のバッファー中でのNO検出限界は 5 nM でした。DAF-FMでは蛍光強度はDAF-2の1.5倍ありますので、若干高感度となると思われます。
FAQ4. 妨害物質はありますか?
フェノールレッドやビタミン類など色素性の物質により蛍光強度が減弱する場合があります。又培地に添加される血清、BSAなどのタンパクによりNO検出効率が低下する場合があります。
FAQ5. リアルタイム観察において、NOが増えれば蛍光が増大し、NOが減れば蛍光が減少するのですか?
いいえ。DAF試薬とNOの反応により産生される蛍光性化合物は安定な物質なので蓄積性のシグナルを見ていることになります。従って、NOが減った場合は蛍光の増加が止まるだけで低下はしません。すなわち蛍光強度増加曲線の傾きがNO産生量を示します。
FAQ6. 相対的な濃度変化の観察ではなく、NOの定量はできますか?
細胞膜透過性のないタイプの試薬(DAF-2, DAF-FM, DAR-4M)により細胞外NOを定量することは可能です。NO濃度既知の溶液で検量線を作製しそれを基準として下さい。細胞内に入るタイプの試薬(DAF-2 DA, DAF-FM DA, DAR-4M AM)では正確な定量は困難です。細胞内環境の違いによりDAF試薬がNOを検出する反応効率・量子収率が変化するからです。
FAQ7. 検量線を立てて定量する場合、標準物質としては何がいいですか?
厳密な定量には濃度の分かっているNOガスの溶液を用いる必要があります。しかし実際的には、若干の誤差はありますがNONOate(1分子から2分子のNOが生成)を用いるのがよいと思われます。
FAQ8. 細胞毒性はありませんか?
10μM程度では明らかな細胞毒性は認められませんでした。万一、毒性が疑わしい場合は濃度を下げてお試し下さい。
FAQ9. 至適濃度はどの位ですか?
5〜10μM(500〜1000倍希釈)程度です。ご使用の試料・バッファーの種類により若干変わってくる場合もあります。ただし、強いシグナルを得るために試薬の濃度を上げることはフルオレセイン系化合物の性質上、逆効果のようです。
FAQ10. DAF-2 DA が細胞内でエステラーゼ分解されるにはどの位の時間がかかりますか?
細胞内での分解を直接測定するのは困難なので直接測定したデータはないのですが、脳組織のホモジネートを用いた検討では DAF-2 DA が10分以内に分解されました。
FAQ11. DAF-2 DA、DAF-FM DAは細胞内にずっと留まりますか?
細胞内に入った後、エステラーゼにより分解されDAF-2、DAF-FMになりますが少しずつ細胞外に漏れていきます。また、NOと反応しDAF-2Tになった後も少しずつ細胞外に漏れていきます。
FAQ12. これまでにどんな試料・測定法での実施例がありますか?
材料としては培養細胞、血管内皮細胞、海馬などの脳・神経組織、末梢血単核球、骨髄幹細胞、ミミズ神経節、植物細胞等があります。測定法としては蛍光顕微鏡による画像観察、画像上特定点の蛍光強度測定、マルチウエルプレートリーダーによる測定等があります。
FAQ13. フローサイトメーターでの測定は可能ですか?
はい可能です。下記の文献ではフローサイトメトリーへのDAF試薬の応用が報告されています。
  1. Havenga, M. J. E. et al. Simultaneous Detection of NOS-3 Protein Expression and Nitric Oxide Production Using a Flow Cytometer. Anal. Biochem. 2001, 290, 283-291.
  2. Navarro-Antolin, J. and Lamas, S. Nitrosative Stress by Cyclosporin A in the Endothelium: Studies with the NO-Sensitive Prove Diaminofluorescein-2/ diacetate using flow cytometry. Nephrol Dial Transplant, 2001, 16 [Suppl 1], 6-9.
  3. Jozsef L, Zouki C, Petasis NA, Serhan CN, Filep JG. Lipoxin A4 and aspirin-triggered 15-epi-lipoxin A4 inhibit peroxynitrite formation, NF-kappa B and AP-1 activation, and IL-8 gene expression in human leukocytes. Proc Natl Acad Sci U S A 2002; 99: 13266-71.
FAQ14. 固定した組織でのNO検出はできますか?
いいえ、固定試料ではNO合成酵素などの酵素が失活していますので、NO産生も起こりませんし、DAF-2 DA→ DAF-2(活性型)へのエステラーゼによる変換も起こりません。すなわち本試薬類は生きた細胞でなければ使用できないのです。
また、生細胞においてDAF検出を試みた後にホルマリン等アルデヒドを用いた固定を行うことはお勧めしません。DAF類は高濃度のアルデヒドと徐々に反応し、強い蛍光を発する場合があります。固定が不可避の場合は必ずNOS阻害剤等を用いた対照実験を行い、慎重に結果を観察して下さい。
FAQ15. 手持ちのプレートリーダーは励起485nm、蛍光538nmなのですが、使用できますか?
できます。励起495nm、蛍光515nmとあるのは効率ピークとなる波長であり、これらから若干ずれても測定できます (Anal. Chem. 1998, 70, 2450)。また夾雑物質によるバックグラウンドがある場合に、長波長で(蛍光530nm)測定したら感度・直線性がよくなったという経験があります。
FAQ16. 試料が付着細胞なのですが、トップリードタイプのプレートリーダーで測定できますか?
はい、できます。もちろんボトムリードタイプでも可能です。
FAQ17. 試薬を細胞に取り込ませるローディングの時間はどの位がいいでしょう?
DAF類の細胞内取り込速度の測定データがあるわけではないのですが、例えばラット大動脈平滑筋細胞へのDAF-2 DAローディングには1時間 (Kojima, H. et al. Chem. Pharm. Bull, 1998, 46, 373-75)、ウシ大動脈由来の内皮細胞 primaly culture への DAR-4M AM ローディングには30分 (Kojima, H. et al. Anal. Chem. 2001, 73, 1967-73)で行っています。既存の報告例を元にご自身の系でご検討下さい。
FAQ18. DAF類は6種類ありますがどのように使分けをしたら良いですか?
別表1をご参考にして下さい。
FAQ19. APFとHPFの違いは?
APFのほうがHPFより感度が良いです。HPFはヒドロキシラジカルとパーオキシナイトライトと反応しますが、APFは次亜塩素酸イオンとも反応します。
FAQ20. APFとHPFは細胞透過性ですか?
両方とも細胞膜を通過します。よって細胞内のイメージングにもご使用できます。
FAQ21. 保存上、どんな点に注意したらいいですか?
まず凍結融解は避けて下さい。DAF試薬類の包装単位は 1 mg となっていますが、1 mg が0.5 ml程度のDMSOに溶けた溶液となっています。凍結融解を繰り返すとDMSOが水分を取り込んで品質が劣化します。最初の開封時に小分けして保存し、以後は使用ごとに使いきりとされることをお勧めします。又、同じく吸湿を避けるため、冷蔵庫から出したら十分に放置して、バイアル全体が室温になってから開けて下さい。
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