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POLARIC™標識したapoA-Iを用いたHDL形成測定法の開発

Direct detection of ABCA1-dependent HDL formation based on lipidation-induced hydrophobicity change in apoA-I
Risa Omura 1, *, Kohjiro Nagao 1, 5, *, #, Norihiro Kobayashi 2,Kazumitsu Ueda 3, 4, and Hiroyuki Saito 1

1 Institute of Health Biosciences and Graduate School of Pharmaceutical Sciences,
The University of Tokushima, 1-78-1 Shomachi, Tokushima 770-8505, Japan,
2 Kobe Pharmaceutical University,

http://www.jlr.org/content/early/2014/09/11/jlr.D049445.long

弊社蛍光色素POLARIC™を用いた徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(薬学系)助教
長尾耕治郎先生の論文が掲載されました。

研究概要

ATP-binding cassette(ABC)トランスポーターであるABCA1は、コレステロールとリン脂質を血液中のapolipoprotein A-I(apoA-I)に受け渡すことで善玉コレステロールとして知られる高密度リポタンパク質(HDL)を形成する。近年、血清HDLコレステロール量だけではなく、マクロファージによるHDL形成量が動脈硬化症の発症リスクと強く逆相関することが報告され、HDL形成過程の重要性が再認識されている。しかし、現在使用されているHDL形成の各測定法には感度が低い、多検体解析に不向きである等の問題がそれぞれ存在する。そこで、apoA-Iの周辺環境がHDL粒子へ組み込まれることで親水性から疎水性へと変化することに着目し、このapoA-Iの周辺環境変化を環境感受性プローブPOLARICで検出するという新規のHDL形成測定法の開発を試みた。

結果

ApoA-Iの53番目に導入したシステイン残基をPOLARIC-MLI(五稜化薬)により標識することで“apoA-I-POLARIC”を作成した。ApoA-I-POLARICをコール酸透析法により人工HDLに組み込むと、蛍光強度が約4倍増加したことから、試験管内でのHDL形成をPOLARICの蛍光強度変化により検出できることが示された。次に、ヒトABCA1を過剰発現させたハムスター由来BHK細胞によるHDL形成の測定にapoA-I-POLARICを適用した。ABCA1発現細胞の培養液へapoA-I-POLARICを添加すると、apoA-I-POLARIC濃度に依存して培養液の蛍光強度が増加し、Km値付近の2.5μg/ml apoA-I-POLARICでは約70%増加した。一方、ABCA1を発現していない細胞では蛍光強度は増加しなかった。また、ABCA1発現細胞の培養上清からゲル濾過クロマトグラフィーにより分離したHDL画分が高い蛍光強度を示したことから、apoA-I-POLARICの蛍光強度の増加がHDL形成に起因していることが明らかになった。さらに、ヒトマクロファージ様細胞THP-1によるHDL形成も本方法により測定可能であった。こように、POLARIC™標識したapoA-Iを用いることで、ABCA1に依存したHDL形成をapoA-Iの周辺環境の変化により検出するという新規の方法を開発することに成功した。

概念図
概念図

POLARIC-MLI(★)をapoA-Iへ部位特異的に結合させることで、ABCA1によるHDL(善玉コレステロール)形成を蛍光強度変化により検出することに成功した。

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